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「表千家 [七代] 天然宗左 如心斎」
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表千家 [七代] 天然宗左 如心斎
如心斎は、表千家中興の祖として知られる宗匠です。成熟する町人文化の中で、新たな茶道の開拓と、茶道の普及に努めた人物でした。
その最大の功績は、茶の伝授法として「七事式」を制定したことです。多くの町人に門戸を開いたため、効率よく茶の心と技を伝授する必要が生まれ考案されました。これは、八畳の茶室でのもてなし方の順を追って解説伝授する方法で、「花月」「且座」「茶カブキ」「廻り炭」「廻り花」「一二三」「数茶」の七つがあります。茶の精神を反映しながら作法を覚えられるうえ、遊戯性もあったために瞬く間に町人の間で大人気となったそうです。
覚々斎が描いた自由で新しい茶風が、如心斎によって実現しました。これ以後、茶は武士のたしなみから町人の楽しみに変わり、茶道具も蒔絵を多用した華やかなものが好まれるようになっていきます。 また、現代にも残るいわゆる「家元制」もこのときに編み出されたものです。多くの人に茶を伝えるために、認可を受けた高弟がまた別の人々に教えていくという形式です。この制度のおかげで、多くの人が茶道に接することができるようになり、今につながる茶道の隆盛の基盤を作り上げたのでした。
古流の茶道を好んだ如心斎
新たな茶道を切り開いた如心斎でしたが、彼自身は古流の茶道を好んだそうです。今に伝わる如心斎好は、黒を基調としたものが多く、いかにも利休好みの侘びさびにあふれています。茶碗、卓なども多いですが、特に花入、棗(茶入)などに特徴的なものが多く、家紋の替紋を使った「つぼつぼ棗」はその代表と言えるでしょう。 そんな如心斎の好みが遺憾なく発揮されているのが、大徳寺、玉林院の茶室「簑庵」(さあん)でしょう。さびと静寂で満たされた茶室のたたずまいには、襟を正されるかのような緊張と、落ち着いて過ごせるくつろぎがあります。 茶道の発展のために華やかで楽しい茶道を切り開いた反面、自分自身は利休の好んだ古流を実直に貫いた如心斎。如心斎好の道具に触れると、その生き様に胸を打たれる思いにとらわれます。